事業の拡大には、大きく分けて2つの方法があります。それは既存事業のスケールの拡大というものと、事業の多角化により拡大です。前者の場合には価格戦略などのマーケティング手法などを用いて市場拡大・シェア拡大を図る方法や、同業者・上下流工程企業の買収や提携などによる方法などがあります。後者の場合には、企業内起業といった形で新規の事業を立ち上げる方法や、自社の分野とは無関係に事業を行っている会社の買収・提携などによる場合もあります。どちらの戦略を選ぶか、というのは難しいところです。
一般的には単一の事業・ビジネスモデルに頼った企業よりも、ある程度事業が分散し、多角化している企業の方が事業の安定性の観点からは有利に働きます。その一方で、株式公開に踏み切ろうとする際などに、無理をして新たな事業などに手を出してそれがうまくいかず、株式公開がうまくいかなかったり、経営基盤そのものも不安定にしてしまったりというケースもよくあることです。社外の専門家などの手も借りて、バランスをうまく計ってこそ経営者の手腕の見せ所といえます。